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私はデザイナーとして、ライフスタイルが、周囲の環境、物、家具、洋服、コンピューターなどによって深く影響できると信じてきました。私は良い商品をデザインすることで、社会に良い影響を及ぼせるという理想を持っていました。
しかし、資本主義・消費第一主義のシステムの中ではこうした理想を実現することは難しかった。 オルタナティブなライフスタイルを提案しても、既存のシステムの中で噛み砕かれ、作り変えられ、商業的で、ファッション性の高い商品に変わって行きました。
デザイン雑誌などで、 自分のデザインを取り上げられても結局は本来のコンセプトとはほど遠いメッセージとして伝わり、 エゴイズムを中心としたシステムに否応なく飲み込まれ、本来のコンセプトや情熱は見失われているようでした。
全速力で働き、前進し、常により多くのプロジェクトを生み出さなければならないというシステムの中で、私は自分自身や、かつて抱いていた理想のライフスタイルとの繋がりを失ってしまっていたようです。
そこで、私は仕事のあり方をスローダウンする事にし、自然との繋がりを再び取り戻したい!食物を育て、木を植えサスティナブルな発展やライフスタイルのクオリティにフォーカスをしていこうと決心しました。
私の幼い頃は、サーファー少年として、友達と美しい自然の中で純粋な歓び(ストーク)を分かち合っていました。成長し、上達するにつれて、私は競争の世界に入っていきました。雑誌やビデオを見ながらプロサーファーに憧れを抱き、彼らの真似をし、戦略を練りながら波にのり、ストークを得るためにより良い波を、より良いボードを求めていきました。
そして、満足することが出来なくなり、もっとも根源的で基本的な「波に乗る」という歓びを失っていったのかもしれません。
しかし、それと同時に、今のサーフボードの替わりになる環境に良い素材の何か!を探し始めていました。 そこでALAIAとの素晴らしい出会いが、私に再び波との繋がりを深く蘇らせ、自然のマジックに言いようも無い 衝撃を受けました。それは私が子供の頃、初めてサーフボードに立てた時と同じ感激でした。
波のラインを滑り降り、水面を切りながらまっすぐに進むシンプルで絶対的な歓び…戦略など全く必要のない、自分自身がまるで海のひとかけら、海の一部になってしまったような感覚を得たのです。
デザインの観点から見ても、ALAIAはほぼ100%環境に優しく、また流動力学の最先端を行っています。その微妙なカーブと形は究極のデザイン・構造と言えます。

今私たちは、全てが多すぎ、高すぎ、早すぎというピークを迎えた時代を生きています。 根源的な歓びや真実、愛を見失い、自分自身まで見失い始め、母なる自然との絆も断たれていき、もうこれ以上進めない所に来ています。 地球人として、今からパワーダウンし、再び自然を感じ、気づき、味わい、本当の進化へ向かう時が来ていると私は思っています

Xavier Moulin(ザビエ ムラン)